金星が象徴するもの

金星
周期:225日
逆行周期:1年と7ヶ月程度の間隔で6週間程

魅力や美意識、バランス感覚を象徴します。

「どんな価値観を持つのか」という傾向が金星との位置に現れるかと思います。

夜空を見上げた時に金星の輝きは美しく、魅力的だと思いますが一方で、その魅力にあまりにもとらわれすぎてしまうと、表層的なものになってしまうようにも思うのです。

金星にはVenus(ビーナス)、ギリシャ神話でいうところのオリンポス12神の一人であるアフロディーテの名前が当てられています(ローマ神話のビーナスはギリシャ神話におけるアフロディーテと対応しています)。金星は夜明け頃や夕暮れ時にうっすらと明るい空の中で金色に明るく輝いています。明けの明星や、宵の明星と呼ばれています。夜空でひときわ明るく金色に輝くその美しさから、美の女神の名前が与えられたのはひどく納得がいくお話です。

アフロディーテは美と愛の女神、女性を象徴する女神です。そのため金星はホロスコープ上で雄雌を示すマークのうち雌を示すマーク、女性のマークで描きあらわされます。

金星は美的なものを象徴し、愛情や憧れのサインです。しかし時に愛情は嫉妬を生み、憧れは欲望や煩悩を生み出します。

金星は美と調和を表現するときにその能力をいかんなく発揮する惑星です。表現する自分と、評価する他者が存在するときに、求められているものを十分な計算と演出をしたうえで提供することで、自分が他者から称賛されることが金星にとっての喜びです。しかし金星の喜びは、他者からの称賛や見返りがあって満たされる種類の喜びです。それゆえ称賛や見返りへの渇望が金星のウィークポイントになります。

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金星の逆行について

金星が逆行するときにはその影響が強く出すぎてしまう傾向があります。金星の美意識・愛情・憧れという性質は自己研鑽・他者への支援・向上心といった性質の源泉となりますが、これが強く出すぎるとき、こだわり・嫉妬・大きすぎる望み。すなわち欲望、貪欲さが表面化することになってしまいます。

 

金星とサイン(星座)の関係

牡羊座の金星は衝動に囚われます

金星にとって白羊宮(牡羊座)のサインはあまり居心地の良い場所ではありません。白羊宮(牡羊座)での金星のテーマは(他者はさておいた)自己表現にあります。

他者を差し置いた自己表現は、わたしを見て評価してほしいという渇望が源泉となります。白羊宮(山羊座)のサインが始まりのサインであり、火のサインであるがゆえにその渇望が生まれてしまうのです。

金星の能力がいかんなく発揮される状況は本来、自分を見る他者の存在があるときです。この自分を見出し、評価してくれる他者が存在しない状況下で金星は誰かに見つけてもらうことを切望し、目立つことでそれを実現しようとします。ここではない場所に引っ張り上げてくれる存在を夢想するが故、自分を能力以上に見せようとしてやや見当違いのアピールをしてみたり、甘言に流されて目先の華やかさに惑わされたりします。

 
牡牛座の金星は準備をします

金牛宮(牡牛座)の支配星は金星です。一見すると金牛宮(牡牛座)の堅実さと金星の華やかさに違和感を覚えるかもしれません。しかし堅実さと華やかさは必ずしも相反するものではありません。金牛宮(牡牛座)の金星は華やかさの裏に隠れた努力を知っているのです。隠れた努力の片鱗を評価され、才能だと褒めそやされることに喜びを感じ、さらなる努力へとエネルギーを向けていきます。

金牛宮(牡牛座)の金星は砂上の楼閣を築いて一時の夢を見ることを望みません。むしろ強固な城を築き上げて、盤石なものを作り上げようとします。

金牛宮(牡牛座)の金星にとって、今できることは何か。今しておくべきことは何かという事がテーマとなります。張りぼての華やかさではない、真に華やかな状況を作り上げるには、確固たる土台、下地が必要だという事を理解しているのです。

 
双子座の金星は忙しいです

金星の社交的な側面が引き出され、軽快に動き回り、結果として様々な出会いに巡り合うことになります。そして出会いの場では調和を重んじる精神からその場を崩さず、相手と自分の関係を築いていきます。

周囲に合わせて自分を引き出すことになるためどうしても、自分の中の深く掘り下げたい部分を掘り下げ、お互いを高めあえる相手と巡り合えない。巡り合えたとしてもその特定の相手との関係を深めることができないという思いに囚われることになります。まるでパーティーの会話のように、深く踏み込んだ話をすることができない。できそうな相手であっても『今この場では』相手を独占して深い会話をすることが許される状況ではないというような感覚です。

とはいえ双子宮(双子座)の金星は、次々にうつろいゆく様々なテーマとの出会いの中で、目まぐるしく自分を変化させるため、そんなストレスに気が付く暇すら与えてもらえません。目まぐるしさの中で、自分自身でも気が付いていなかった自分の魅力や、思ってもみなかった好奇心の向く方向という発見のかけらを見つけるのですが、忙しさのあまりそれらは、断片的に閃いては後ろに流れていってしまいます。

双子宮(双子座)の中で金星は様々な可能性のかけらを蓄積することになります。後にそのかけらの中からひと際大きく、美しく輝くかけらを見つけ出して磨くことになるのか、あるいは、たくさんのかけらを集めて複雑なモザイク模様を生み出すことになるのか、今はまだわかりません。

 
蟹座の金星は内向的です

双子宮(双子座)の金星は様々な関係性を新たに構築していくことに忙しくしていましたが、巨蟹宮(蟹座)の金星はそれらの関係性の中から大切なものを見つけ出そうとします。いくつかの関係性を自分にとって大切なものとして選ぼうとするのです。逆に、いくつかの関係性は自分には無関係なものとしようとしてしまうのですが、無関係なものにしようとしてしまっているという事実に気が付くことができません。

新しい関係性の中で大切にしたい関係性だとまず思うものは何でしょうか。自分にとって安心できる関係や居心地の良い関係、居心地の良い関係ではないでしょうか。反して避けたい関係性だと思うものは何でしょうか。厳しい関係、叱咤激励されたり至らない点を指摘されたりする関係ではないでしょうか。

巨蟹宮(蟹座)の金星は無自覚に居心地の良い関係に逃げ込もうとし、自分を脅かすと感じる関係は排除しようとします。

 
獅子座の金星はひとりよがりです

獅子宮(獅子座)での金星のテーマは自己表現を他人に肯定的に受け入れられたいという欲求を満たすことにあります。金星の業のようなものが引き出されるサインが獅子宮(獅子座)のサインであると言えるかもしれません。

自己表現を他人から肯定的に受け入れられたいという欲求があるとき、もちろん何もすることなく他人から自分の事を肯定されたときには、とても居心地よく感じます。調子に乗るという形、傲慢さという形でその表現型が現れます。他方、自分の事を否定的に見られたときは、否定するものに対して反発し、反骨心を育てます。あるいはその両方があるなら、否定される部分は巧妙に包み隠し、肯定される部分を強調しようとします。あるいは、自分を肯定する者たちだけを囲い込み、否定するものをことさらに打ち据えて見せることで、自分たちの結束をより強固なものにし、高揚感と一体感を手に入れようとします。

獅子宮(獅子座)に限らず、金星にとって最もフラストレーションを感じることは、肯定でも否定でもなく、注目されないという事にあります。獅子宮(獅子座)の金星は、自分への注目が不十分であると感じた時、周囲から称賛されるであろうことをことさらに強調し、飾り立て、衆目を引こうとします。

獅子宮(獅子座の)金星にとって最も居心地の良い環境は、自分自身に肯定的なラベルを貼り、他者に否定的なラベルを貼ることができたうえで、自分たちが多数派、あるいは正義であるとして受け入れられ、称賛されたうえで、否定するものを少数派、あるいは不義であるとして痛めつけることができる環境であるという状況だという事に、金星の業を感じずにはいられないのです。

深い業を背負っていることは、必ずしもすべてが悪しきもの。というわけではありません。何かをなそうとするときにはある程度の熱狂や行き過ぎを許容してでも行動を起こす必要があります。むしろそれなくして推進力は生まれないという側面も持ち合わせているという事もまた事実なのです。

 
乙女座の金星は几帳面です

処女宮(乙女座)で金星は取り残されたような、喪失感と戦う羽目になります。それを補うように処女宮(乙女座)の金星は、ますます周囲に調和と完全性を要求します。

獅子宮(獅子座)での金星のテーマが自己を承認したい、させたいというテーマでした。自分自身を承認してくれる集団をつくり、自分自身を承認しない集団と明確に線引きをすることで、ある種のラベリング効果をもって集団の結束を強くする。つまり、リーダーシップによって集団を導くというよりは、共通の敵をつくって集団を導く扇動をする。という事が獅子宮(獅子座)での金星の活動でしたが、処女宮(乙女座)での金星は二つの役割を与えられます。

一つ目の役割は自分たちの集団をより完璧なものにするために、序列をつけ、不穏なものを排除するという役割です。そしてもう一つは、自分たちの集団を他の集団に認めさせるという役割になります。ここで金星は自分自身の中に矛盾した二つの基準を抱えることになります。

一つの基準は、自分たちの中としてふさわしくないものを排除するという基準。もう一つは、自分たちを他者から受け入れられるものにするために行き過ぎたものを排除しなくてはならないという基準です。(自分自身を認めていないと感じる)周囲に自分自身を認めさせるために、弱点と行き過ぎた強みを丸くするという二つの事を求められます。それは例えば庭園の雑草を取り除きつつ、咲き誇りすぎた花もまた取り除かねば調和を生み出すことができないという感覚です。

ただ咲き誇る花を愛でていた感覚が忘れられず、しかし一方でそれだけで評価を得ることは困難であるという事が金星を苦しめます。外部からの至らない点、行き過ぎた点の指摘を受け、内部にそれを正すことを求め、自分達を外からの評価が高い集団にしようとすればするほど、内部からは自分自身を同質なものとして受け入れてもらうことができなくなる。という苦しみと戦う羽目になるのです。

 
天秤座の金星は優秀な調停者です

天秤座の支配星は金星です。金星にとって天秤宮(天秤座)の他者との関係性の中で、お互いが異なるものであるという事を認めるというテーマが居心地よく感じます。

他者との関係性の中で評価され、賛美されることが金星にとっての喜びであり、行動原理です。つまり金星がほんとうに称賛されたいと願っているものは、かなり極論すると、身内ではありません。外から見て自分、あるいは自分たちがどのように見られているのか。という事こそが金星にとって最も気にかかる点なのです。

他者との関係性の中で調和しつつ自分自身を認めさせるという事は、まさに金星にとって自分自身の行動原理そのものです。そのため、天秤宮(天秤座)の金星はありとあらゆる手段を用いて調和と自分自身の立場を守ろうとします。時として譲るべきは譲り、押すべきは押し、最終的には調和を目指します。

同じ空気のサインである双子宮(双子座)と同じく、目まぐるしく動き回るのですが、目的とするところが異なります。双子宮(双子座)の金星が、他からの影響を受けて目まぐるしく移り変わる中で、自分自身の方向性を確立することを目指していたのに比して、天秤宮(天秤座)の金星は他者からの影響を受けて『自分自身の進む道を曲げてでも』他者と折り合いをいかにつけるのかという事がテーマとなります。

このことについて考えるとき、君子は豹変すという言葉を思い出さずにはいられません。元来君子は豹変す小人は面を革むという易経の言葉で、君子は自分が誤っている或いはより良いものが見つかったときに、過去の自分にとらわれることなく変化することを恐れない。比して小人は態度を表面的に改めるだけであるという意味の言葉です。

天秤宮(天秤座)の金星はまさに君子です。良きものは取り入れ、悪しきは改めるという事にこだわりがありません。とは言いつつも、あえてコアの部分、譲れない部分を守るという事が必要な部分もある。もちろん良きこと悪きことを改めるという事は絶対的に必要な姿です。しかし、『解ったうえであえて』悪手を指してでも自分のすじを通す必要があるという事こそが他者と自分を差別化し、自分自身のコミュニティの中で認められるためには必要なことであるという事を忘れてはなりません。

 
蠍座の金星は救いを求めます

天蠍宮(蠍座)のテーマは自己と他者の同一性の模索です。天秤宮(天秤座)での自分と他人が異なるものであることを認めたうえで歩み寄るというテーマから移り変わって、天蠍宮(蠍座)では、共通する部分を探し出して深めるという作業を行うことになります。

もちろん自分自身の大切にしたいものが、他者と自分自身の共通する部分であったのであれば、金星にとってその相手はとても大切なパートナーとなり、深く相手を信じ込みます。

天蠍宮(蠍座)での金星のテーマは同じものを見て同じ感想を持ち、共感することができるかどうかにかかっています。そのため、同じものを見て同じ感想を持つと感じられる相手のことは徹底的に信頼し、支援し、依存します。逆に同じものを見て異なる感想を持つ者に対しては疑い、否定し、拒絶します。

天蠍宮(蠍座)の金星は自分自身と共感し、包み込んでくれる相手、もしくは自分自身と共感し、自分自身が庇護するべき相手に救いと依存を求め、盲目的になりがちです。

巨蟹宮(蟹座)の金星が自分にとって居心地の良い関係に関係を絞り込んでいたとすれば、天蠍宮(蠍座)の金星は自分が陶酔できる相手との関係に関係性を絞り込みます。

 
射手座の金星は奔放です

人馬宮(射手座)の金星は自分自身の信念に向かってありとあらゆる手段で周囲に理解と支援を求めます。その根底に流れる行動原理は信念が正しいという盲目的な自信と『いまだ至っていない』という思いです。

周囲からの理解と支援、賛同が得られた時、人馬宮(射手座)の金星は突き進みます。周囲からの支援と賛同が得られなければ、それらを切り捨て、自分自身で道を切り開き到達しようとあがきます。

しかし、人馬宮(射手座)の金星は孤独な求道者にはなれません。どうしても周囲からの絶対的な信頼と支援を求めてしまうがゆえに、支援が得られている場合はそれが打ち切られることがないように、支援が得られていないのであればどうにかそれを手にするために、周囲へのアピールをすることになります。

いまだ至っていないがゆえにそこに至るための支援を求めて、人馬宮(射手座)の金星はアピールするための成果を表現したくなってしまうのです。

もちろん、人馬宮(射手座)の金星が行動するために十分な支援と信頼、実力があった場合、強烈な信念と行動力の結果として、一定の成果が手に入ります。そして人馬宮(射手座)の金星にとってはその成果は自分自身が到達する目標に至るまでの副産物でしかありません。そのため、人馬宮(射手座)の金星は副産物でしかない途中の成果を惜しげもなく支援者や理解者に分け与え、先へ先へと進んでいきます。

しかし残念ながら、アピールするのに十分な実力と結果が伴っていないとき、人馬宮(射手座)の金星は虚飾し、誇張し、迷走してしまいます。

 
山羊座の金星は現実的です

概念や信念よりも結果を重視します。磨羯宮(山羊座)のテーマは本質を法則立てることにあります。法則立てる事とはつまり、再現性を求めることです。自分自身の直感と信念にもとづいて導き出した結果を再現可能なものにすることが金星のテーマになります。

磨羯宮(山羊座)の金星は手に入れた結果を導き出した(ように見える)ものに対して興味をそそられます。好ましい結果を手に入れる原因を高評価し、好ましくない結果を出した原因を過剰に忌避します。求める結果に対して物事に優劣、序列をつけて評価し、序列の上位と下位に極度なバイアスをかけてしまいがちです。また、好ましい結果とは、現実的なものでなおかつ即効性のあることが重要です。即物的という言葉がしっくりときます。

現実的で結果の出ないことを好まないという意味では堅実なように見えますが、磨羯宮(山羊座)の金星は、目先のわかりやすい結果と、わかりやすい評価軸を求めます。したがって堅実というよりは、短絡的であると捉えたほうが理解しやすいかと思います。

現実的で即効性のあることを求めるために、物事の原因を自分の外に求め、それさえ取り換えれば解決するという発想になりがちです。逆に物事の原因を自分自身の中に見出してそれを改めるとか、地道な自己研鑽によって目的を果たすという事は苦手とします。磨羯宮(山羊座)の金星が努力をするためには努力のたびごとに結果や報酬が手に入るという実感が必要になります。

土の固定のサインである金牛宮(牡牛座)では現実的で着実なものを求め、自分自身にそのエネルギーを向けますが、土の始動のサインである磨羯宮(山羊座)では現実的で即効性のあるものを自分の外に求めるのです。

 
水瓶座の金星は周囲を励まします

自分が見つけた現実的な方法論で周りを巻き込もうとするのです。結果を出す方法を『自分は知っている』という事が金星の自尊心をくすぐるのです。その自尊心をより満たすために、周りを導こうとするのです。

ここで注目すべき点が2点あります。『自分は知っている』という感情の裏側には『他人は知らない』という思いがあるという事と、自分自身の成功体験(あるいは失敗)が他人にも適用できるという思いがあるということです。

宝瓶宮(水瓶座)の金星にとって周囲とは、自分と同じレベルまで引き上げなくてはならない存在です。集団を鼓舞し引き上げ、落ちこぼれをなくそうと努力します。この行動の陰には隠されたバイアスがあります。率いていく集団の中で自分は優れているという思いです。このバイアスが良く働くとき、自分よりも至らないものを救い上げ、高める存在になります。その集団の中で十分な実力とリーダーシップがあったなら、良い庇護者になれる事かと思います。

宝瓶宮(水瓶座)の金星はおそらく、自分自身あるいは自分たちが、最も優れたものであると信じています。そしてその思いに至るだけの実力と自信を、多くの場合携えています。宝瓶宮(水瓶座)の金星にとって仲間とは、同じ方向を向いて適度に固まっているものこそが仲間であり、その仲間の中で自分が優れていると感じられる状況に身を置くことが最も居心地の良い状態なのです。

不幸にしてもしも金星自身に他者を導くだけの力と余裕がなければ、それはついてこられないものや意に反するものへの攻撃性という形で悪い方に発露してしまいます。自分自身に余裕がある時、対象は導くもの救うものとして金星の目に映ります。しかし、ゆとりを失ったときそれは、足を引っ張るもの、邪魔をするものとして金星の目には映ってしまうのです。

あるいは、金星よりもより実力と勢いがある存在がいる時、金星がついていけないほどにその差が開いていると、それは集団からはみ出し、独断先行した行動を取るものとして金星の目に映ってしまいます。

宝瓶宮(水瓶座)の金星は、集団から大きく外れたものを、たとえそれが同じ方向を向いていたとしても、集団からそれを孤立させ排除しようとします。恐ろしいことに、金星自身がそれを攻撃するだけでなく、集団全体でそれを排除するように仕向けようと行動してしまうのです。

処女宮(乙女座)の金星にとって集団の敵は集団とは方向を異にするものでした。宝瓶宮(水瓶座)の金星にとっての敵は、自分達と同じ方向を向いている距離があるもの調和を乱すものなのです。それは、金星が調和を目指しているガーデンにおけるしおれた植物であったり、あるいは咲き誇りすぎた花であったりするのです。

 
魚座の金星は癒しを求めます

自分の周りにいるものと何ができるのかを考え、準備するという事が双魚宮(魚座)の金星のテーマになります。手が届く世界の調和を考え、広げていく準備をするのです。

自分の手の届く世界との調和を求めるとき、自分自身もまた調和し、その世界に溶け込んでいかねばならない。という事に気がつきます。周りに同化するために双魚宮(魚座)の金星は自分の持っているものを手放し、与え、歩み寄り、周囲との同調を求めます。

同じ水のサインの中で、巨蟹宮(蟹座)の金星のテーマは自分と周囲の居心地の良い関係づくり、天蠍宮(蠍座)の金星のテーマは自分と周囲の共通点の発見と深化でした。双魚宮(魚座)の金星のテーマは自分と他者が違うという事を認めたうえで同調していく。という事になります。

単純に画一的、均一なものになる。という道筋を金星が求めるとき、それは金星にとって穏やかで優しい世界が訪れます。一見すると、周囲と融合し協調するという事は善いことに思え、喜びをもたらしますが実は、このことだけに向かっていくことは双魚宮(魚座)の金星にとってネガティブな側面です。その場合、そこからイノベーションは起こりづらくなり、自分たちと異なるものを排除し、(自分たちにとって)悪くない現状を維持しようとしてしまいます。結果、同調圧力が支配する排他的かつ停滞的な世界を作り上げてしまうのです。

自分の周りの世界の多様性を認め、自分たちと自分たちの外の世界との違いや共通点に目を向け、自分自身と自分の周囲との違いや共通点を認める時、自分達や自分自身の役割や優位性に気がつくことができます。協調し同調しながら歩みを適度に合わせつつ変化と調和を求めるとき、集団や自分自身のアイデンティティを持ちつつ自分たちや自分が、外の世界との調和のためにできることは何かを考えることができます。

双魚宮(魚座)の金星は、他と同一であることの喜び、一体感の恍惚の中でその状況こそが自分自身への充実であり、癒しとなります。その状況を最高のものとして停滞することなく、そのうえでプラスアルファとして、自分達だからできる事は何か。という事を考え、その中で自分にできることは何かを考え行動するとき、自分たちの世界を広げることができるのです。

 

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