黄道・白道とは何か

『黄道十二星座』という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?対して、白道という言葉は耳にしたことが無いという方の方が多いかもしれません。黄道十二星座というのはホロスコープに出てくる白羊宮(牡羊座)とか金牛宮(牡牛座)とか、少し飛ばして天蠍宮(蠍座)とか、要するに十二星座占い。つまり、星占いで名前がついているあれです。十二星座のおさらいはこちら

十二星座はなぜ、この十二個の星座が選ばれたのでしょうか?どうして、今日のオリオン座のあなたの運勢は、憧れているあの人と仲良くなれるチャンスの日。ラッキーカラーはアフリカンバイオレット。ラッキーアイテムは星型ドライバーとか。今日のこぐま座の運勢は、注意力が散漫になってミスが多い日。注意して。ラッキーカラーはコバルトブルー。ラッキーアイテムは四色ボールペン。とか、言わないのでしょうか?

黄道は星空の中を太陽が通る道

太陽の後ろに十二星座がある理由

惑星軌道が黄道面上にある理由

白道は星空の中を月が通る道

ノード 月と太陽の交差点

黄道は星空の中を太陽が通る道

黄道というものにその答えがあります。黄道というのは、太陽の通り道です。対して、白道というのは月の通り道です。

太陽の通り道と言ってもピンと来ないかもしれません。地球から見ると太陽はいつも違う場所を通っています。日本で見る太陽は、冬は低い位置を通り、夏は高い位置を通ります。
赤道付近では逆に、夏至と冬至に一番低い位置を通り、春分と秋分には真上を通っていきます。一番低い位置といっても日本の夏場と同じぐらいの高さを通るので暑いですし、北極や南極付近では太陽はいつも低い位置を通るか、顔も出さない日もあります。北半球では太陽は南に昇り、南半球では太陽は北に昇ります。

しかし、どこから見ても、太陽の後ろに同じに見えるものがあります。それが黄道十二星座です。

星空の中でいつも同じ場所を太陽は通っています。そして太陽の通り道つまり黄道と、ほぼ同じ場所を惑星も通っています。

ただ、月だけはややや大きめにずれているので、月の通り道だけは、白道と呼んで区別しているのです。※冥王星のずれも、かなり大きいのですが、とりあえずおいておきます。

太陽の後ろに十二星座がある理由

結論から言ってしまうと、地球が太陽の周りを廻るときに、平面の上を廻っているからです。
こんな感じです

太陽から見て蟹座の位置に地球がいる時に、地球から太陽を見ると、太陽の後ろに山羊座が見え、天秤座の位置にいる時には牡羊座が太陽の後ろに見えます。


もし、立体的に地球が太陽の周りを廻っているとすると、こんな感じになります。
地球が立体的に動いた時の太陽

太陽から見て、同じ天秤座の方向に地球がいる時でも、角度によってずいぶん見え方が違うはずです。地球がAの位置に居れば、私たちが見慣れた位置で星空を観察できるでしょう。Aの位置から太陽を見れば、その後ろに牡羊座が見えるはずです。しかし、同じ天秤座の位置に地球がいたとしても、Bの位置にいたとすると、太陽の後ろに牡羊座はいません。
幸いにして、地球はこんな風に立体的に太陽の周りを廻っているわけではなく、黄道面という面の上を、平面的に廻っています。

地球が太陽の周りを平面的に廻っているから、太陽はいつも黄道十二星座の前を通り、他の惑星もまた、ほぼ同じ平面状を通っているから同じく黄道上に見えるのです。

惑星軌道が黄道面上にある理由

地球を含めた惑星の軌道は黄道面上にあるのですが、なぜ、立体的に太陽の周りを飛び回らずに、平面的に廻るのでしょうか。


太古の昔、宇宙はガスの雲でできていました。雲の中の澱みが小さな塊になると、その塊の重力にひかれて、渦ができ始めました。その渦の中にもまた小さな澱みができ、渦の中に渦を作り始めます。この渦が、銀河系であり、太陽系であり、惑星です。

澱みの重力にひかれたガスは、中心に吸い寄せられます。一方で渦は中心の周りをぐるぐる回るので、遠心力が働きます。重力よりも遠心力の方が強ければ、彼方へと飛んでいきます。

ピザ職人がピザ生地を空中でくるくる回して伸ばしているのを見たことがあるでしょうか?最初はボールのように丸かったピザ生地が、空中に投げられ、回転すると、どんどん薄くたいらになっていきます。永遠にピザ生地を回していると、ピザ生地は薄く薄く、永遠にどこまでも伸びていきます。そんな感じで、中心の周りを廻っているガスが、薄く平になっているのが黄道面。生地の中で少し、生地がかたよってだまになっているのが惑星。というわけです。

おしまい。というと、遠心力で伸びていくなら、地球はどんどん太陽から遠ざかってしまわない?という不安にかられるのですが、ここで先に言った重力が出てきます。ピザ生地の中心には重力がないので、どこまでも伸びていきますが、太陽系の中心の太陽には重力があります。太陽の重力に引き寄せられる力と、遠心力で太陽から離れていく力、これが釣り合った位置と速度で惑星は廻っているので、太陽に吸い寄せられていくこともなく、太陽から遠く離れていくこともなく、同じ軌道を廻っているのです。

白道とは

白道とは月の通り道です。ホロスコープ上の星の中で月と太陽は特別な星です。太陽系の中心が太陽で、地球を含めた太陽の惑星が廻っているのが黄道面です。そういう意味で、黄道面とは太陽の通り道という言い方よりも、惑星の通り道という言いまわしの方が正しいかもしれません。

月は太陽系の惑星ではありません。地球の衛星です。そのため、太陽の引力の影響よりもむしろ、地球の引力の影響を受けています。太陽がその大きさゆえに、地球に大きな影響を与えているとすれば、月は地球との近さゆえに、地球に大きな影響を与えています。

地球が太陽の周りの同じ平面を廻っているように、月は地球の周りの平面を地球と一定の距離を保ちながら廻っています。その平面と距離が白道というわけです。

白道は黄道に対して少し約5度傾いています。
こんな感じです

月の通り道-白道の説明

白道と黄道に約5度の角度があるので、地球から見ると、月と太陽の通る高さに違いが出ます。この絵ですと、月が右側にいる時には太陽よりも高い(北寄りの)位置を月が通ります。左側にいる時には太陽よりも低い(南寄りの)位置を月が通ります。太陽の高さと月の高さが一致するポイントの事をノードとよびます。ノードいつも同じ位置にあるわけではなく、ホロスコープの中を移動します。

他の惑星の軌道も若干、黄道面からは傾いているのですが、地球からの距離が月と地球に比べると圧倒的に遠いので、ほとんど同じ面を巡っていると言って良いレベルで太陽と同じ位置を通るように観察できます。

ノード 月と太陽の交差点

ホロスコープの中で、月がこの点を通り過ぎると太陽よりも高い位置(北寄りの位置)を通る点を昇交点と呼びます。逆にこの点を通り過ぎると太陽よりも低い位置(南寄りの位置)を通る点を降交点と呼びます。

昇交点と降交点では月と太陽の高さが揃うので、この位置で新月を迎えれば日蝕が、この位置で満月を迎えれば月蝕が起こるのです。

昇交点と降交点には複数の呼び方があります。
昇交点をアセンディングノード(ascending node)またはノースノード(north node)、降交点をディセンディングノード(descending node)またはサウスノード(south node)と呼びます。ここを超えると上に行くとか、北に行く。ここを超えると下に行くとか、南に行くという意味ですね。

占星術では、昇交点の事をドラゴンヘッド、降交点の事をドラゴンテイルと呼びます。

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