土星が象徴するもの


土星
周期:29.5年
逆行周期:1年程度の間隔で4ヶ月半程

試練や困難、堅実さといったものを象徴します。

「どのようにして研鑽するのか」という傾向が土星との位置に現れると思います。

土星は、何か目標を持った時に、それを達成するための準備ができているかを確認したり、トライアンドエラーの機会を与えることで、目標に近づくための指針を与えてくれているように思うのです。トライアンドエラーによって正しい道に戻れ、あるいは時として、挫折してしまったりするのだと思います。

土星にはSaturn(サターン)の名前が冠されています。これはローマ神話における農耕の神サートゥルヌスの名前です。サターンという音からSatan(悪魔)の方をイメージする方もいらっしゃいますが、農耕神です。ローマでは冬のお祭りであるサートゥルナーリア祭で、盛大にまつられていたそうです。

このサートゥルヌスはギリシャ神話のクロノスと同一視されています。クロノスはウラノスの息子でゼウスやポセイドン、ハデスの父親です。

このクロノス、自分の父親であるウラノスを殺してその権力を簒奪(さんだつ)します。しかし因果応報というかなんというか、自分もまた自分の子供にその座を奪われるという予言を受けてしまいます。そのため、予言を恐れたクロノスは、自分の子供が生まれるとそれを次々と食べてしまいます。ゴヤやルーベンスがわが子を食らうサトゥルヌスという絵としてこの神話をモチーフにしています。

さて、クロノスは子供が生まれた端から飲み込んでいきます。ヘスティア・デメテル・ヘラ・ハデス・ポセイドンはクロノスに飲まれてしまいますが、末っ子のゼウスだけは母親のレアーがゼウスだと偽って石を飲ませ難を逃れます。

クレタ島でひそかに育てられたゼウスはその後クロノスから兄弟を奪還し、兄弟と協力してクロノスを討ち果たします。こうして父親であるウラノスを滅ぼしその権力を奪ったクロノスもまた自分の子供らにその権力を奪われることになるだろうという予言は成就します。

ゼウスがクロノスから兄姉を助け出す際、クロノスは飲み込んだ順とは逆順で兄姉を吐き出したので、この時の順序を第二の誕生の順序としてゼウス兄弟の序列は末っ子であるゼウスを頂点として逆転したと言われています。

土星の性質は本来堅実なものです。堅実な世界の中で研鑽し成長することを求めます。しかし往々にしてそれは、自分の世界からはみ出そうとするものを抑圧します。もちろん過去から現在にかけて正しいと信じられている事をリスペクトすることは大切なことです。ですが、その枠の中だけに納まっていては変革や革新は生まれません。木星はいつか枠は破壊されることを自覚しながら、それでも今を安定させるためにその枠を守り続けるのです。

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土星の逆行について

土星の性質はあるべき姿を求めるものです。土星が考えるあるべき姿とは一体何でしょうか。多くの場合土星の求めるあるべき姿は、既存の習慣・慣習に従い、堅実(とされている)方法で成長することを求めた結果到達するあるべき姿です。土星が逆行するとき、そんな土星の性質が強く出すぎてしまう傾向があります。

土星の影響が強く出すぎる時、何が起きるでしょうか。多くの場合、抑圧を生み出します。半ば強引にでも変革を否定し、自分たちの世界の枠の中にとどめようとします。

 
牡羊座の土星は苛立っています

牡羊座のサインは始動のサインです。他方、土星の性質は現状維持を求めるものです。これから何かをしなければならいという欲求と、こうあらなければならないという二つの欲求の間で葛藤し、苛立ちを感じ、自分は何者なのかを考えて苛立つのです。

土星は自分自身がこうあらなければならない、こうあるべきだという規範を元に個性を押さえつけ、模範的であろうとすることを好み、それによって認められることを得意とします。しかし、白羊宮(牡羊座)のサインは土星に自分自身は何者になりたいのかを問いかけます。白羊宮(牡羊座)のサインから求められるのは衝動的なエネルギーです。理由や意味もなく、こうしたいやああしたいを表現することを肯定しますが、土星は理由や意味、目的なくこうしたいああしたいを表現することが苦手です。土星は既にあるものの事を考えることは得意ですが、現在存在しないものの事を考えることは苦手なのです。

理由や意味なく現在存在しないものを求めることが苦手な土星は

 

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