占星術で春分点を始まりと考える理由

ホロスコープでは、白羊宮(牡羊座)を始まりとして考えます。牡羊座が始まるのはいつも必ず、春分の日です。地球が春分点にいる時をスタートにして、地球が太陽の周りを一周する世界を考えます。一周を等間隔に区切り、30度づつのピースにしたものがサイン(宮)と呼ばれます。

ではなぜ、春分点が始まりなのでしょうか?

地球上のどこに居ても、明確に今日がその日であると観察できる特定の日でなおかつ、占星術が誕生した北半球だったから、春分点を始まりにしたということだと思います。

春分とは何か

なぜ春分点が特別なのか

古代のカレンダーは10ヶ月でできていた

春分とは何か

春分の日とはどんな日でしょうか?
昼夜の長さが同じ日だと答える方が多いと思います。

その通りなのですが、ひとつ付け加えるなら、世界中で昼夜の長さが同じになる日。ということになります。昼夜の長さが同じになる日がもう一つあります。秋分点です。春分点と秋分点だけが、『世界中で』昼の長さと夜の長さが『そろう』日なのです。

なぜ春分点が特別なのか

特別な日に設定しても良さそうな日が、春分点と秋分点の他にあと二つあります。夏至と冬至です。北半球では夏至の日は昼間の長さが一番長い日で、冬至の日は昼間の長さが一番短い日だと説明されます。

しかし、夏至や冬至を知ろうとすると、その地点の太陽の高さの推移を知っておく必要があります。夏至と冬至の日というのは太陽が最も北極方向に見える日と南極方向に見える日と言い換えても良いのですが、見え方が緯度によって異なります。しかも、昼が長いとか、短いと言っても緯度によってその長さはバラバラです。夏至の日、北極では白夜になって太陽がずっと沈まないですし、南極では極夜になって太陽が昇ってきません。冬至の日にはその逆です。

しかし、春分と秋分は太陽の見え方は緯度によって異なりますが、昼夜の長さが世界中で揃います。

古代から春分点と秋分点は観察されていました。ギリシャと同じく地中海にある国であるマルタ共和国、マルタ島のイムナイドラ神殿では、春分と秋分の朝日の光が奥の部屋に差し込むように調整された巨大な石の神殿がありました。下がその神殿です。ずいぶん昔の写真を掘り返したので違う神殿かもしれません…。

マルタ島の巨石神殿

実際古代から夏至の太陽と冬至の太陽も、大事な転換点として観察されていたと思いますし、実際大事にされていた事実も残っています。
※夏至というとイギリスのストーンヘンジ(Stonehenge)や、三重県にある二見興玉神社の夏至祭りが有名所でしょうか。

が、春分点の観察は特に大切だったのだろうと推測しています。何故なら、春分点が春だからです。暦を作る時、秋の収穫を最初にするよりは、春の種まきを始まりとしたということなのか、そもそも生き物が活動を始めるのが春なのでそこ(春分点)に焦点をあてたのかはともかく、一年のサイクルの始まりの基準を春の特別な日にしたのだと思います。

古代のカレンダーは10ヶ月だった

古代ローマでは1年は10ヶ月と特に名前のない60日程度でした。そして現在の3月頃を始まりとして12月で終わり、現在でいう1月と2月は特に月として定めてはいなかったそうです。元々古代のカレンダーでは3月(春分の頃)を始まりとしていたのです。

実は現在にもそのころの名残があります。10月の事を英語でOctoberと言います。オクトーバー。オクタというと数字の8です。オクタゴン(octagon)というと八角形、オクトパス(Octopus)というと八本足の生き物つまり蛸です。因みに三角形はトライアングル(trigon)、四角形はスクエア(square)、五角形はペンタゴン(pentagon)、六角形はヘキサゴン(hexagon)、七角形はヘプタゴン(heptagon)、九角形はナノゴン(nonagon)です。アスペクトの名称と関係あることですのでおさらいです。

それはさておき、10月は8番目の月だったのです。

1月(現在の3月:March)
2月(現在の4月:April)
3月(現在の5月:May)
4月(現在の6月:June)
5月(現在の7月:July)
6月(現在の8月:August)
7月(現在の9月:September)
8月(現在の10月:October)
9月(現在の11月:November)
10月(現在の12月:December)
名前のない月(現在の1月:Januaryと2月:February)

というわけです。9月(September)のセプトもフランス語やギリシャ語の7(sept)ですね。9はフランス語でヌフ(neuf)ギリシャ語でノナ(nona)ですし、10はフランス語でディス(dix)ギリシャ語でデカ(deca)なので、現在の9月~12月は昔の7月~10月の名残が残っているということになります。

完全に私の推測ですが、元々は春分(辺り)から指折り数えて11月頃までを10個に分けて、大体種まき~収穫までのスケジュールと年中行事を決めたり、この辺でこんな漁をしたり、こんな狩りをしたり、家畜をこんなところに連れて行ったりする計画や経験則の伝承を1~9月に当て込んで、10番目の月は春まで耐える季節としていたのではないかと想像します。乙女座の物語でも一年のうちの3ヶ月ほどは、ざっくり冬になったのだと言い伝えています。

ということで、占星術では春分点を始まりの区切りの位置に置いてサイクルを見る。ということになります。

2019年8月の星読み01日~10日

2019年08月01日~08月10日までの月と他の惑星の位置関係(アスペクト)及び、ホロスコープからのインスピレーション
注)あくまで私が感じ取ったことをメモ書きしています。私個人の主観です。

 

8月1日
獅子宮(獅子座)
13時頃に水星の逆行が終了し、併せて新月となります。かなり強めの始まりのサインとなるかと思います。今までの固定観念に囚われていた状況から、新しい道筋に向けて再出発します。とはいえ、固定観念というものはそうそう簡単に抜けるものではありません。
6時頃 金星と重なります
9時頃 天王星と90度
12時頃 太陽と重なります(新月)
22時頃 木星と120度

 

 

8月2日
獅子宮(獅子座)⇒処女宮(乙女座)
妙に強気です。いきがって見せます。
6時頃 火星と重なります
  ボイドタイム
22時半頃 処女宮(乙女座)に入ります

 

 

8月3日
処女宮(乙女座)
できるだけ弱みを見せたくないようです。邪魔なものを整理して、不安材料を取り除こうとしています。
8時半頃 天王星と120度
21時半頃 木星と90度
23時頃 土星と120度

 

 

8月4日
処女宮(乙女座)⇒天秤宮(天秤座)
疑いの気持ちが芽生えます。
慎重さが出ますが、周りは期待しています。
3時半頃 海王星と180度
8時半頃 冥王星と120度
13時半頃 水星と60度
  ボイドタイム
22時半頃 天秤宮(天秤座)へ入ります

 

 

8月5日
天秤宮(天秤座)
落ち着いています。
期待感はあるのですが身動きが取れません。
15時頃 金星と60度
19時頃 太陽と60度
22時半頃 木星と60度
23時半頃 土星と90度

 

 

8月6日
天秤宮(天秤座)
意地を張って、周りの期待に応えます。
無理をしています。
10時頃 冥王星と90度
11時頃 火星と60度
16時半頃 水星と90度
  ボイドタイム
  翌0時半頃天蠍宮(蠍座)へ入ります

 

 

8月7日
天秤宮(天秤座)⇒天蠍宮(蠍座)
太陽と木星が120度(トライン)
周りの期待に応えようとして調子に乗ったことを後悔しています。喪失感をおぼえて焦っています。
12時頃 天王星と180度
23時頃 金星と90度

 

 

8月8日
天蠍宮(蠍座)
後悔していますが、引き返す道も険しそうです。先に進むことを躊躇して、狼狽えていますが、逃げ出すことを許してもらえません。仕方なく無計画なまま行動します。
2時半頃 太陽と90度
3時頃 土星と60度
8時頃 海王星と120度
14時頃 冥王星と60度
18時頃 火星と90度

 

 

8月9日
天蠍宮(蠍座)⇒人馬宮(射手座)
自分は大丈夫だと自分に言い聞かせています。周りには強がって見せながら、頼る相手を探しています。
0時頃 水星と120度
  ボイドタイム
5時半頃 人馬宮(射手座)へ入ります

 

 

8月10日
人馬宮(射手座)
安堵して油断します。
ちょっとした刺激に驚いて、周りの制止を振り切って逃げ出そうとします。
8時半頃 木星と重なります
11時頃 金星と120度
13時半頃 太陽と120度
15時頃 海王星と90度

 

<<2019年7月21日~31日  2019年8月11日~20日>>

大潮 月と太陽の力

若潮という言葉は聞いたことがないとしても、大潮という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。因みに、大潮というのは潮の満ち引きが一番大きくなる日、長潮というのが潮の満ち引きが一番小さい時期を指します。若潮というのは長潮の翌日を指します。中潮と呼ばれる時期もあります。

星からの影響ということで、月と太陽から受ける影響というものは、はっきりとわかる形で影響を受けています。

太陽からの影響で大きく気温が変化しますし、満月の日には太陽が沈んだ後で月が昇り、夜道を歩くことができます。街灯もない時代には提灯や燭台の明かりよりも、月明かりの方が明るいぐらいだったことでしょう。月のない夜には星明かりを頼りに夜道を歩いたかもしれません。

気温や明るさの他にはっきりと、月と太陽の影響を受けているものがあります。潮の満ち引きです。

潮の満ち引きとは

海の高さが変わることです。正確には、海面の高さが変わることです。主に月の引力にひかれるか、月の引力が弱まることで海水が地球の外方向に引っ張られて海面が高くなる状態を満潮といいます。反対に海面を引っ張る力が弱い時を干潮といいます。

干潮と満潮の海面の高さを干満差といいますが、普通に月と太陽の影響を受けるだけで、長潮時で1m弱、大潮の時で1.5m程度の干満差が普通に出ます。単純に水面が引き上げられるだけで干満差が生じるわけではないので、場所によっては15mの干満差があったということもあるようです。

日本各地の満潮と干潮の時刻と潮位は、気象庁の潮位表で調べることができます。

大潮:月と太陽が一直線に並ぶ日

大潮というのは、月と太陽と地球が一直線に並ぶ日の潮の満ち引きの事で、満潮時と干潮時の海面の高さの差が最も大きくなる日の事をいいます。占星術的に表現すると月と太陽がコンジャクションの時とオポジションのアスペクトを取るときに大潮となります。

実際は引き上げられた海水が最も盛り上がるのは、完全にコンジャクションやオポジションの瞬間に満潮になるのではなく少し遅れます。夏至(6月)や冬至(12月)の時期に一番暑くなったり寒くなったりするわけではなく、少し遅れた時期に影響が最大になる(一番暑くなったり寒くなったりする)のと同じことで、いつも大騒ぎするのは、その力が最大の時よりも、少し遅れるものです。実際にはピークを過ぎているときに初めて、事の重大さに気が付くというものです。金融の世界でも何かが起こってピークが過ぎてからそのことについて論じていると感じることはよくあります。逆に揺れる柳に怯えすぎて、本当の幽霊が出たときには材料出尽くしといって何も動じないことも多々ありますが…。

新月の大潮は、こんな感じになります。

新月の大潮の説明

満月の大潮は、こんな感じになります。

満月の大潮の説明

月と地球の重力が合わさることで、ちょうど月と太陽と向き合う場所と、ちょうど反対になる場所の2か所で、海面が引っ張られて盛り上がるということになります。

干満の差が小さい小潮の時はどうかというと、こんな感じです。

小潮の説明

月と太陽が90度になるとき、ホロスコープでいうスクエアのアスペクトの時に月の力と太陽の力が分散されて、干満差が小さくなってしまいます。こうしてみると、スクエアのアスペクトがすれ違いを生じさせるアスペクトだということに納得がいきます。

とだけ説明すると、新月の大潮の絵の右側、月と太陽の反対側でも海面が盛り上がるというのがどうにも納得がいきません。満月の時の絵では、月と太陽がお互いに逆方向に引っ張り合うので、むしろ干満差は小さくなるのでは?という気になりませんか?わたしはなります。

しかし事実として、満月の夜にも大潮になります。このことについて、月の反対側では遠心力が働くので干満差が大きくなるという説明をされます。が、どうにも私は納得がいきませんでした。地球の自転の遠心力ということだとすると、同じ緯度であれば同じ遠心力がかかっているはずで、月と反対側の海面が盛り上がる道理にならないのです。公転の遠心力で、太陽から遠い方がやや遠心力が強いということだとすると、満月の日に月と反対側で大潮になる理由に納得がいきません。

ということで、もう少し潮の満ち引きはなぜ起きるのかを掘り下げてみたいと思います。ここから先は私の趣味です。

ざっくりまとめると、月の重力の影響で月に近い方が満ち潮になります。また、月と地球はお互いにひかれあって、ワルツを踊っているから遠心力で満ち潮になります。そして、秋分~冬至~秋分の時期の大潮の方が干満差が大きく、潮干狩りができる。ちょうどそのころに旬をむかえるのがアサリなので、潮干狩りといえばアサリだということになります。

重力による潮の満ち引き

月と太陽を比べると、月の方が潮の満ち引きに与える影響は大きいです。その差は月の方が太陽の2倍引っ張る力が強い程度です。

月の重力だけで潮の満ち引きを考える

月の重力だけで潮の満ち引きが起こる理由としては、月の方にいる時に地表(海面)は裏側にいる時よりも月に近いので、重力がより強くなるのです。※重力は物質の重さに比例し、距離の二乗に反比例します。地球と月の距離は38万4千㎞地球の直径は1万2千㎞ですから。月に近い方が月から遠い方よりも1.06倍重力が強いと言えそうです。6%というとけっこうなものです。月の方を向いているときは海面が6%強い力で引っ張られて海面が盛り上がるいうのは納得がいきます。

太陽の重力だけで潮の満ち引きを考える

太陽と地球の距離は1億5千万㎞です。地球の直径は1万2千㎞ですから、太陽の方を向いている側とその裏側では…重力はそんなに変わりません。0.01%ぐらいですので、私たちが体感できるレベルではないです。といっても、太陽の重力は大きいので(太陽の重量は月の2千700万倍)月の重力に対して173倍になります。これが0.01%変わると影響力は月の重力での影響の三分の一程度でしょうか。ものすごく大雑把に計算したので、自信ないです。

遠心力による潮の満ち引き

地球の自転だけを考えると、同じ緯度であれば同じ遠心力がかかるはずです。そのため、月の裏側で地球の自転による遠心力によって満ち潮になるという説明は間違っている。というか足りていません。

月の重力が地球を引っ張るように、地球の重力もまた月を引っ張っているのです。というかむしろ、地球の重力の方が強く月を引っ張っています。つまり、地球は月にひかれて月の方向に向かって落ちていますし、月は地球にひかれて地球の方向に落ちています。お互いの重さが釣り合う位置つまり重心を中心にして、ワルツを踊ってターンしながら、黄道面というステージで太陽の周りを踊りながら廻っているのです。

こんな感じです

重心を中心に踊りながら公転する月と地球

左側の月と地球を拡大して月から一番遠い場所Aと一番近い場所Bの月と地球の重心を中心にした動きを取り出すとこんな感じになります。

満潮時の遠心力の説明

重心の位置は地球の中心から月寄りに4千6百㎞近づいた位置にあります。ということで、月寄りの海面は重心から1千4百kmほどの位置、月と反対側の位置は重心から1万6百km程の位置になります。その差は約10倍です。ということで、月から一番近い場所では遠心力は一番弱く、月から遠いところでは遠心力が一番強く、月からの重力が一番弱いので、遠心力で海面が盛り上がるということになります。

太陽と地球でも同じことが起こるでしょうか?

答えはNOです。太陽の重量は地球の30万倍です。地球と太陽の重心は、太陽から500㎞辺りの位置になります。太陽の中です。重心からの距離は、太陽に近い側でも太陽から遠い側でも変わったと言えるものではありません。地球の表と裏の距離の差で1億5千万㎞が1億5千1万㎞になったと言っても誤差のようなものです。というか誤差です。

とはいえ、太陽から一番遠く、月から一番近いもしくは一番遠い場所では、太陽からの重力の影響が一番小さく、他の海面よりもより強く月の影響を受けるということになります。

ということで、

月と太陽の重力が合わさって新月の日中の満潮になる。

月と地球の共通重心を中心にした遠心力と太陽の重力が合わさって満月の日中の満潮になる。

太陽の重力の影響が小さく、月と地球の共通重心を中心にした遠心力の影響を強く受けるので新月の夜中の満潮になる。

太陽の重力の影響が小さく、月の重力が大きいので、満月の夜中の満潮になる。

新月の大潮 満潮の原理

新月の大潮の説明詳細

満月の大潮 満潮の原理

満月の大潮の説明詳細

年間で最も干満差が大きいのは

最後に、地球は太陽の周りを楕円軌道を描いて廻っています。そのため、地球と太陽が一番近くなるのは冬至の季節になります。ということで、冬至の満月もしくは新月の辺りでの干満差が最も大きくなります。

黄道・白道とは何か

『黄道十二星座』という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?対して、白道という言葉は耳にしたことが無いという方の方が多いかもしれません。黄道十二星座というのはホロスコープに出てくる白羊宮(牡羊座)とか金牛宮(牡牛座)とか、少し飛ばして天蠍宮(蠍座)とか、要するに十二星座占い。つまり、星占いで名前がついているあれです。十二星座のおさらいはこちら

十二星座はなぜ、この十二個の星座が選ばれたのでしょうか?どうして、今日のオリオン座のあなたの運勢は、憧れているあの人と仲良くなれるチャンスの日。ラッキーカラーはアフリカンバイオレット。ラッキーアイテムは星型ドライバーとか。今日のこぐま座の運勢は、注意力が散漫になってミスが多い日。注意して。ラッキーカラーはコバルトブルー。ラッキーアイテムは四色ボールペン。とか、言わないのでしょうか?

黄道は星空の中を太陽が通る道

太陽の後ろに十二星座がある理由

惑星軌道が黄道面上にある理由

白道は星空の中を月が通る道

ノード 月と太陽の交差点

黄道は星空の中を太陽が通る道

黄道というものにその答えがあります。黄道というのは、太陽の通り道です。対して、白道というのは月の通り道です。

太陽の通り道と言ってもピンと来ないかもしれません。地球から見ると太陽はいつも違う場所を通っています。日本で見る太陽は、冬は低い位置を通り、夏は高い位置を通ります。
赤道付近では逆に、夏至と冬至に一番低い位置を通り、春分と秋分には真上を通っていきます。一番低い位置といっても日本の夏場と同じぐらいの高さを通るので暑いですし、北極や南極付近では太陽はいつも低い位置を通るか、顔も出さない日もあります。北半球では太陽は南に昇り、南半球では太陽は北に昇ります。

しかし、どこから見ても、太陽の後ろに同じに見えるものがあります。それが黄道十二星座です。

星空の中でいつも同じ場所を太陽は通っています。そして太陽の通り道つまり黄道と、ほぼ同じ場所を惑星も通っています。

ただ、月だけはややや大きめにずれているので、月の通り道だけは、白道と呼んで区別しているのです。※冥王星のずれも、かなり大きいのですが、とりあえずおいておきます。

太陽の後ろに十二星座がある理由

結論から言ってしまうと、地球が太陽の周りを廻るときに、平面の上を廻っているからです。
こんな感じです

太陽から見て蟹座の位置に地球がいる時に、地球から太陽を見ると、太陽の後ろに山羊座が見え、天秤座の位置にいる時には牡羊座が太陽の後ろに見えます。


もし、立体的に地球が太陽の周りを廻っているとすると、こんな感じになります。
地球が立体的に動いた時の太陽

太陽から見て、同じ天秤座の方向に地球がいる時でも、角度によってずいぶん見え方が違うはずです。地球がAの位置に居れば、私たちが見慣れた位置で星空を観察できるでしょう。Aの位置から太陽を見れば、その後ろに牡羊座が見えるはずです。しかし、同じ天秤座の位置に地球がいたとしても、Bの位置にいたとすると、太陽の後ろに牡羊座はいません。
幸いにして、地球はこんな風に立体的に太陽の周りを廻っているわけではなく、黄道面という面の上を、平面的に廻っています。

地球が太陽の周りを平面的に廻っているから、太陽はいつも黄道十二星座の前を通り、他の惑星もまた、ほぼ同じ平面状を通っているから同じく黄道上に見えるのです。

惑星軌道が黄道面上にある理由

地球を含めた惑星の軌道は黄道面上にあるのですが、なぜ、立体的に太陽の周りを飛び回らずに、平面的に廻るのでしょうか。


太古の昔、宇宙はガスの雲でできていました。雲の中の澱みが小さな塊になると、その塊の重力にひかれて、渦ができ始めました。その渦の中にもまた小さな澱みができ、渦の中に渦を作り始めます。この渦が、銀河系であり、太陽系であり、惑星です。

澱みの重力にひかれたガスは、中心に吸い寄せられます。一方で渦は中心の周りをぐるぐる回るので、遠心力が働きます。重力よりも遠心力の方が強ければ、彼方へと飛んでいきます。

ピザ職人がピザ生地を空中でくるくる回して伸ばしているのを見たことがあるでしょうか?最初はボールのように丸かったピザ生地が、空中に投げられ、回転すると、どんどん薄くたいらになっていきます。永遠にピザ生地を回していると、ピザ生地は薄く薄く、永遠にどこまでも伸びていきます。そんな感じで、中心の周りを廻っているガスが、薄く平になっているのが黄道面。生地の中で少し、生地がかたよってだまになっているのが惑星。というわけです。

おしまい。というと、遠心力で伸びていくなら、地球はどんどん太陽から遠ざかってしまわない?という不安にかられるのですが、ここで先に言った重力が出てきます。ピザ生地の中心には重力がないので、どこまでも伸びていきますが、太陽系の中心の太陽には重力があります。太陽の重力に引き寄せられる力と、遠心力で太陽から離れていく力、これが釣り合った位置と速度で惑星は廻っているので、太陽に吸い寄せられていくこともなく、太陽から遠く離れていくこともなく、同じ軌道を廻っているのです。

白道とは

白道とは月の通り道です。ホロスコープ上の星の中で月と太陽は特別な星です。太陽系の中心が太陽で、地球を含めた太陽の惑星が廻っているのが黄道面です。そういう意味で、黄道面とは太陽の通り道という言い方よりも、惑星の通り道という言いまわしの方が正しいかもしれません。

月は太陽系の惑星ではありません。地球の衛星です。そのため、太陽の引力の影響よりもむしろ、地球の引力の影響を受けています。太陽がその大きさゆえに、地球に大きな影響を与えているとすれば、月は地球との近さゆえに、地球に大きな影響を与えています。

地球が太陽の周りの同じ平面を廻っているように、月は地球の周りの平面を地球と一定の距離を保ちながら廻っています。その平面と距離が白道というわけです。

白道は黄道に対して少し約5度傾いています。
こんな感じです

月の通り道-白道の説明

白道と黄道に約5度の角度があるので、地球から見ると、月と太陽の通る高さに違いが出ます。この絵ですと、月が右側にいる時には太陽よりも高い(北寄りの)位置を月が通ります。左側にいる時には太陽よりも低い(南寄りの)位置を月が通ります。太陽の高さと月の高さが一致するポイントの事をノードとよびます。ノードいつも同じ位置にあるわけではなく、ホロスコープの中を移動します。

他の惑星の軌道も若干、黄道面からは傾いているのですが、地球からの距離が月と地球に比べると圧倒的に遠いので、ほとんど同じ面を巡っていると言って良いレベルで太陽と同じ位置を通るように観察できます。

ノード 月と太陽の交差点

ホロスコープの中で、月がこの点を通り過ぎると太陽よりも高い位置(北寄りの位置)を通る点を昇交点と呼びます。逆にこの点を通り過ぎると太陽よりも低い位置(南寄りの位置)を通る点を降交点と呼びます。

昇交点と降交点では月と太陽の高さが揃うので、この位置で新月を迎えれば日蝕が、この位置で満月を迎えれば月蝕が起こるのです。

昇交点と降交点には複数の呼び方があります。
昇交点をアセンディングノード(ascending node)またはノースノード(north node)、降交点をディセンディングノード(descending node)またはサウスノード(south node)と呼びます。ここを超えると上に行くとか、北に行く。ここを超えると下に行くとか、南に行くという意味ですね。

占星術では、昇交点の事をドラゴンヘッド、降交点の事をドラゴンテイルと呼びます。

夏は暑く冬は寒い理由

夏は暑く、冬は寒いです。とても当たり前のことですが、どうしてだか知っていますか?わたしはつい、暑すぎると地球が太陽から遠ざかってくれたらいいのにとか、寒すぎるともう少し地球が太陽に近づいてくれたらいいのにとか、そんなことを考えてしまうのですが、それは間違いです。むしろ北半球では。太陽からの距離は夏の方が太陽から離れているのです。

夏は暑く冬は寒い理由。結論を書いてしまうと、太陽の光があたる角度が違うのです。
地球は太陽の周りを楕円で廻っているので、確かに太陽に近づいたり、遠ざかったりしますが、そのことで地球の気温に大した影響はありません。太陽が強火になったり弱火になったりして火力調整しているかというと、そんなこともありません。太陽の光があたる角度が変わるからあたっている場所の温度が変わるのです。

地球は太陽の周りを楕円で廻っている

地球は太陽の周りを廻っていて、その軌道は楕円軌道になっています。とだけ聞いてしまうと、下のような絵をイメージしてしまって、成程、太陽に近づいたり遠ざかったりしているのだ。だから暑くなったり寒くなったりするのね。などと分かったような感じになってしまいます。地球と太陽の距離が地球の温度に影響を与えて、いないこともないとは思いますが…、楕円といってもほとんど円みたいな楕円ですし、先に申しあげた通り、北半球では夏場の方が太陽からの距離は遠いので、太陽からの距離は気温に影響はないと言って差し障りがないかと思います。


地球は楕円軌道している
地球の楕円軌道

地球がこの位置に居るとき、太陽から最も離れているから、冬の時期と思ってしまうが間違いです。この位置に地球がいるとき、太陽が見えるのは蟹座の方向のはずです。
楕円に合わせてホロスコープを置くと、上の絵の太陽の真上が春分点、真下が秋分点です。つまり春分点の時に地球がいる位置が太陽の真上で、その時太陽は牡羊座の方角に見えることになるので、こうなります。
楕円軌道に合わせてホロスコープを回す

ですので、地球が太陽から離れているのに、太陽が蟹座や獅子座の方向に見える季節。つまり夏の季節になります。
それに、北半球が夏なら南半球は冬です。南半球のサンタクロースは水着を着て、サーフボードに乗ってやってくるそうですよ。

太陽が強弱をつけている?

太陽からの距離が関係ないとすれば、どうして夏は暑く冬は寒いのでしょうか?太陽からの距離が地球の温度に関係するというイメージは、太陽が同じ強火でも、近火になれば激しく熱が伝わるし、遠火になればあまり熱が来ない。炭火で焼肉とか魚を焼く時のイメージですね。冬に焚火に近づかないと温まれない感覚です。
火にあたるイメージで、夏になると太陽がもう少し弱火になってくれないかな。とか、冬になるともう少し強火になってくれないかな。とか思うわけですが、これもまた間違いです。
確かに、夏の日差しは強く、冬の日差しは弱いです。ですから、太陽が火力調整していると言われると、うっかり信じてしまいそうです。

しかし、もしそうだったとするとやはり、北半球が夏の間、南半球は冬。北半球が冬の間南半球は夏。ということの説明がつきません。

太陽の熱を発する力の強弱が変わっているわけではありません。そんな、ガスコンロみたいな機能が太陽についているわけではありませんし、もし少しでも太陽が弱火になったら、多分地球は丸ごと氷になりますし、少しでも太陽が強火になったら、地球は溶けてなくなるかもしれません。

太陽の光があたる角度が違う

太陽の光があたる角度が違うというのはどういうことでしょうか?地球は太陽の周りを廻りながら(公転)、自分自身もその場で廻っています(自転)。ぐるぐる回りながら移動する、焼き鳥の串みたいなもので、焼き鳥の串に相当するのが北極と南極を結んだ自転軸となります。その自転軸。太陽の周りを廻る角度と垂直ではなくて、少し傾いているのです。結果、場所によって太陽の光があたる角度が違うのです。
こんな感じです。焼き鳥のつくねみたいな絵になりました。

地球の赤道傾斜角

この絵だけ見ると、やっぱり、冬の方が太陽に近くて暑そうですね…
ではこの絵だとどうでしょう。
夏と冬の日のあたり方の違い
夏場は太陽に向かって、少し前のめりに傾いているので北半球では太陽の光のあたる角度が90度に近づきます。逆に冬場は、太陽に対してのけぞっているようになるので、90度から離れます。
結果、同じ面積の地表に夏場は7本、冬場は5本の線があたっているということになるで、あたっている線の本数が多い方が暑いということになるのです。

先の絵では、夏の光は90度であたっているように書きましたが、日本では90度までの角度にはなりません。夏至の時に太陽の光が真上から、90度であたるのは北回帰線(北緯23.26度)冬至の時に太陽の光が真上からあたるのは南回帰線(南緯23.26度)の地域です。日本だと、沖ノ鳥島辺りで夏至の時に太陽が真上からあたります。
東京の北緯36度を考えると、夏至の太陽は77.4度の角度、冬至の太陽は30.6度の角度で日が差し込むので、ずいぶんと光のあたり方が違います。

赤道付近では、春分の日と秋分の日に太陽の光は頭上から降り注ぎます。なので、夏至には113.4度 冬至には66.6度の角度という計算になります。つまり夏至には北の空に66.6度、冬至には南の空に66.6度の角度になります。常に90度の角度に近い方に日の光はあたるので、暑いです。

北極付近では夏至には23.4度、冬至には-23.4度の角度で日の光が当たるので、夏は地平線付近でずっと太陽が出ている白夜がおこりますし、北緯66.6度以上では1日中日が昇らない極夜が起こります。ずっと低い角度で日が当たるので、寒いです。

四季について

地球の軸が傾いているから、そして私たちが、四季ができる緯度の場所、日本に住んでいるから四季があるのです。
そういえば、乙女座の物語の中で、デメテルが神様の仕事をしない間冬ができたというストーリーがありました。それまでは四季がなかったのでしょうか?
この物語を考えた人々は、四季があることへの感謝の気持ちを込めてこの物語を考えたのでしょう。
しかし、もしかすると、彼らが四季のある場所へ移住したことを暗示しているかもしれません。
更にひょっとすると、太古の昔は地球の軸は今の北極と南極ではない場所にあって、軸の傾きが変わったから、大きく気候が変わってしまったということを暗示しているのかもしれません。
完全に根拠(ソース)のない想像ですが。

星占いの星座と夜空の星座が一致しないわけ

テレビや雑誌の星占いで、獅子座だからとか、私は水瓶座だからといって、お誕生日に夜空を眺めて、自分の誕生日の星座を探そうとしたことありませんか?

わたしはあります。

絶対に見つけられない。ということに気が付き絶望したものです。

冬の星座として有名なオリオン座、オリオン座は獅子座と戦っています。つまり夜空に獅子座を見つけられるのは冬ですし、赤い星アンタレスが妖しく輝く蠍座は夏の星座の代表のような存在です。
一方で、獅子座生まれのあなたと言えば、7月23日~8月22日生まれのあなたという意味ですし、蠍座生まれのあなたと言えば、10月24日~11月22日のあなたという意味です。

そうなのです。誕生日に、自分のサインの星座を探そうとしても、夜空の星の中に、それを見つけることはできないのです。

あなたの誕生日、あなたの星座は太陽と共にあります。

雑誌やテレビで見かける多くの12星座占いはホロスコープ上、太陽が見える方向にあるサイン。それを誕生日の星座として占っています。もしかすると、あなたの生まれた時に。月が見えている方向とか、木星が見えている方向で占っているものも、あるにはあるかもしれませんが、ごく稀だと思います。
お誕生日に太陽の後ろにある星座があなたの星座です。
※ホロスコープ上のサインは、夜空を12等分したところに、大体その辺にこの星座があるから、この名前にして覚えておこうというものなので、厳密には星座の位置とずれます。

ということで、夜空をいくら探しても、太陽と共に沈んでしまったあなたのサインを見つけることはできないのです。

お誕生日には太陽を眺めて、その後ろにあるあなたのサイン。太陽の輝きに隠れて見えないけれど、確かにそこにあるはずのサインを想像してみてください。

惑星の逆行について

今は地球が太陽の周りをまわっている。ということに疑いを持つ人はほぼ、いないと思います。私はというと、どうにも盲信的に信じ込むことができずに、地球が太陽の周りをまわっていると考えた方が惑星や星の動きを上手に美しく説明できるので、そういうことなのだろうな。ということで納得しています。

惑星の逆行とは

昔の人は地球を中心に星が回っていると考えていました。そのため、惑星の動き方がものすごく納得のいかないものだったのです。
太陽は、北半球では東の地平線(水平線)から現れ、南の空へと昇っていきます。そして西の地平線(水平線)へと沈んでいきます。月もまた、同じです。そして、星座もまた同じような動きをします。
※北半球ではと書いたのは、太陽と月は南半球では東から昇り、『北の空』へ昇った後、西に沈むからです。

しかし、北極星を中心とした円運動から明らかに、ずれた動きをするものがありました。惑星です。惑星の動きは、北極星を中心にした円運動にならないのです。
その円運動にならない動き。それが逆行です。
惑星は時々、円運動に逆らって動いているように見えるのです。

惑星や月、太陽は他の星に比べて少しゆっくり地球の周りを廻っていると昔の人は考えていました。しかし、地球の周りを廻っている惑星が、その円運動に逆らって動いているように見える時期があるのです。

円運動通りに動かず、迷子のように動く星、戸惑う星ということで、惑星と呼ぶようになった。ということですね。


金融占星術では、惑星が逆行すると相場が荒れると言われたりしていますが、その辺りは後日改めてお話しするとして、今回はなぜ惑星が逆行するのか。惑星逆行の原理について、お話ししたいと思います。

地球が止まっていて周りの星が動いているのではなくて、月が地球の周りを廻っていて、太陽を中心として惑星が巡っている。『地球も惑星の一つとして動いている』のだと考えると、惑星が逆行して見えることと、太陽が星座のサインを移動することについて、とてもうまく説明できます。
地球を含めた惑星が太陽の周りを廻っていると考えて、他の星々は『ほぼ』止まっているということにして考えたとき、惑星と地球の相対的な見え方として、逆行して見えるということが説明できるのです。

相対的な見え方いうのは、電車や車に乗っていると、周りの景色が後ろに流れているように見えるというあれです。地球(と他の惑星が)が動いているから、惑星が後ろに流れているように見えるのです。


相対的な物事の見え方については、別の場所でまたお話しするとして、今回は惑星がどうして逆行という、不自然に見える動き方をして見えるのかという理由を説明したいと思います。

地球から見た太陽の動き

地球から見た月の動き

内惑星と外惑星 逆行はいつ起こるのか

地球から見た内惑星の動き

地球から見た外惑星の動き

あらためて惑星の逆行とは

地球から見た太陽の動き

地球から見た太陽の動きはいつも東から現れ、西に沈んでいきます。そして季節によって、ホロスコープの中を牡羊座⇒牡牛座⇒双子座へとサインを移動して進んでいき、魚座からまた山羊座へと帰っていきます。その動きは常に順行です。

この、サインを移動するというのが昔の人からすると少し、不思議なことだったのです。だから、太陽は地球の周りを廻る速度が他の星よりも少しゆっくりだと考えたのです。

太陽を中心として地球が回っています。ある時期に天秤座に地球がいたとしましょう。その時に太陽はどこに見えるでしょうか?

地球が太陽から見て天秤座の方向にいるときは、天秤座のちょうど反対側、牡羊座の方向に太陽が見えることになります。

少し時間が進んで地球が蠍座の位置に移動するとどのように見えるでしょうか?ちょうど反対側にあたる牡牛座と一緒に太陽が動いているように見えます。太陽は動いていないけれど、地球が動いているので、太陽の見える方向が変わるのです。

山手線に乗っていると品川から東京ドームは北(駒込方向)に見えて、秋葉原から上野辺りからは西(新宿方向)に見えます。駒込や巣鴨あたりからは南(品川方向)に見えて、新宿あたりからは東(秋葉原方向)に見える。そしてまた品川に戻ってくる。というのと同じです。

 

地球から見た月の動き

地球から見た月の動きは素直です。月が地球の周りを廻っているので、天動説的な見え方をします。

太陽の周りを地球が回っているということは忘れて、今度は地球が動かないものとして考えれば大丈夫です。

素直に地球から見た時に射手座の方向にあった月が、地球の周りを廻って、射手座⇒山羊座⇒水瓶座と進んでいくのを見ている。ということです。

ホロスコープでの月の動き方説明

内惑星と外惑星 逆行はいつ起こるのか

惑星の逆行を説明する前に少し地球と他の惑星の位置関係についてお話しておきます。

 太陽を中心に 水星-金星-地球-火星-木星-土星-天王星-海王星-冥王星の順で並んでいます。
海王星と冥王星の位置関係は、その軌道の関係で一時期逆になったりもするのですが、それを説明し始めると軌道が楕円だということや、周回面の角度の話をしたくなるので、ちょっと我慢します。
ここでは大雑把に、外にいる星程ゆっくり太陽の周りを廻っていて、地球から惑星を眺めるときには、地球よりも太陽に近い場所にいる惑星(内惑星)と、地球よりも遠い場所にいる惑星(外惑星)では見え方が少し違う。ということだけお話しておきます。
ということで、内惑星は水星と金星、外惑星は火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星です。

そして結論から先に言ってしまうと、内側の星が地球を追い越すときあるいは、地球が外側の星を追い越すときに惑星は逆行しているように見えます。

地球から見た内惑星の動き

水星と金星は地球の内側で太陽の周りを廻っている惑星です。内惑星と呼ばれます。
水星の公転周期は88日
金星の公転周期は225日
ですから、水星は4ヶ月に一度、金星は1年と7ヶ月程度に一度、地球を追い越します。これを地球と惑星の会合周期といいます。

又、内惑星は、地球から見るといつも太陽の方向にあります。
そのため、太陽から一定以上離れて見えることはありません。水星で28度、金星で47度が太陽と最も離れて見える位置関係となります。これを最大離隔といいます。

順行する内惑星
順行する内惑星の動き

逆行する内惑星
逆行する内惑星の動き

自分自身が動いている車に乗っているときに、後ろからより速いスピードで走っている車を見た時に、追い越されるまでは後ろに見えていたものが、追い越されてしまうと前に見える。走っている車からは景色が後ろに動いて見えるけれど、その景色とは違った動きに見えるということと同じです。

地球と内惑星の速度に十分な差がある場合、大げさに描くとこんな感じに見えます。
※実際は十分な差があるわけではないので、もう少し狭い範囲で太陽の周りをうろちょろしている感じです。地球から内惑星が見える範囲
地球が惑星から見てほぼ止まっているとき、惑星がAからBに移動している間(つまり惑星が地球を追い越している間)は山羊座の位置から乙女座の方向へ逆行しているように見えます。そして、BからAに移動しているときは、乙女座の位置から山羊座の位置に移動しているように見えます。

地球から見た外惑星の動き

地球の外側を廻る惑星とそれぞれの公転周期は次の通りです。
火星(688日)
木星(12年)
土星(29.5年)
天王星(84年)
海王星(165年)
冥王星(248年)
ですから、例えば木星の場合、地球が太陽の周りを一周する間に12分の1つまり30度分木星は太陽の周りを進んでいます。したがって1年と1ヶ月(12分の1年)と少しで地球は木星を周回遅れにします。周回遅れと書くと木星から、動いている距離が違うという文句が出そうですが…。
火星の場合は地球が一周する間に太陽の周りを2分の1週しているので、追いつくのはおおよそ2年になりますし、土星より外の星は、誤差の範囲を大きく取れば止まっていると言ってもいいぐらいのペースでしか動いていないので、1年に一度地球が他の惑星を追い越す。ということになります。

順行する外惑星
順行する外惑星の動き

逆行する外惑星
逆行する外惑星の動き

内惑星の時とは逆に、自分が動いている車に乗っているときに、前を走っていた車を追い越すとき、前に見えていた車は追い越した後は後ろに見える。ということです。

内惑星の時と同じように考えて、今度は外惑星が地球から見てほぼ静止していると考えると、こんな感じに見えます。
地球から外惑星が見える範囲
今度は地球がAからBに動いているとき(つまり地球が惑星を追い越しているとき)は地球から見た外惑星は双子座から山羊座の方向へ逆行しているように見えます。そして、地球がBからAに動いているとき、山羊座から双子座へ順行しているように見えます。

あらためて惑星の逆行とは

惑星の逆行というのは、速度の違う車同士の見え方のようなもので、追い越すまたは追い越されるときに明らかに見える方向が違ってくる。ことから、惑星はその時に惑って見える。ということです。

逆行している期間というのは、内惑星であれば惑星が地球に迫ってきて、並走している期間。外惑星であれば地球が惑星に迫っている期間であり並走している期間ということです。また、逆行している期間の方が、地球と惑星の距離が近い分、他の星座との動きのずれが際立って大きく見えます。

そう考えると、逆行というのは、言葉通りのイメージで、惑星の持つ意味が裏返しになるとか、そういうことではなくて、惑星の持つ影響力が良くも悪くも、とても強く出る。出すぎてしまう時期と言えるかもしれません。

フィボナッチ数

フィボナッチ数とは

フィボナッチ数列というものをご存じでしょうか。
自然界に多く発生する法則で、この数列に当てはまるものは人が美しいと感じる値だそうです。
黄金比と呼ばれる比率に、かなり近づいた数字です。
この数字
1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,377…
と続くわけです。
フィボナッチ数を知らなくても、察しの良い方であればこの数列は、前の数字を2つ足したものが連続している数列であることに気が付くかと思います。

数字が小さいうちはこの通りになりませんが、1を第一世代2を第二世代として十五世代も進めると、ひとつ前の数字をその数字で割る(例えば2/3)と0.618、二つ前の数字をその数字で割る(例えば2/5)と0.382、三つ前の数字をその数字で割る(例えば2/8)と0.236という数字に、世代が進むほど近づいていきます。
金融の世界では、チャート分析上この数字 0.618と0.382及び0.236を重要視して、この数字が表れるようなチャートになるはずだ。という流派があります。

チャート上に表れるはずだ。という流派については、別の機会に書くとして、今回はフィボナッチ数ってそもそも何?というお話です。

十分に大きいフィボナッチ数として二十五世代~三十世代のフィボナッチ数を置いておくので、お暇なら電卓をたたいてみてください。
121,393
196,418
317,811
514,229
832,040
1,346,269

フィボナッチ数と黄金比

正方形を元にフィボナッチ数で黄金比を作る

フィボナッチ数を使って作成した長方形。どんどん大きくしていくと、縦横比が黄金比に近づく。

円を元にして黄金比を作る

黄金比の長方形

フィボナッチさんが考えた例

元々フィボナッチさんが考案した問題は次のようなものです。ウサギのつがい(2羽)が生後2ヶ月後から月に一度1つがい(2羽)のウサギを生む、ウサギが死ぬことなく次のウサギを生むとすると、
つがいの数は、

最初  : 1
1ヶ月後: 1 (生後2月以上:0 後1月:1)⇒生後0月+0
2ヶ月後: 2 (生後2月以上:1 生後1月:0)⇒生後0月+1
3ヶ月後: 3 (生後2月以上:1 生後1月:1)⇒生後0月+1
4ヶ月後: 5 (生後2月以上:2 生後1月:1)⇒生後0月+2
5ヶ月後: 8 (生後2月以上:3 生後1月:2)⇒生後0月+3
6ヶ月後:13 (生後2月以上:5 生後1月:3)⇒生後0月+5
7ヶ月後:21 (生後2月以上:8 生後1月:5)⇒生後0月+8

というものだそうです。

鼠算との比較

フィボナッチさんの例はウサギですが、ネズミを使った似たような数列に、鼠算というものがあります。こちらは、1,2,4,8,16,32,64,128,256,512,1024という具合に倍々に増えていきます。二進数的な増え方です。スマホやパソコンのメモリーとか、この数列になっていますね。

1つがいのネズミが1つがいのネズミを生むとして、絶え間なく生み続けると、つがいの数は1⇒2⇒4⇒8⇒16になるというものです。
フィボナッチとの違いは、ウサギは生まれた翌月は子供を産まないのに対して、ネズミは生まれた翌月から子供を産むという点です。その点では、フィボナッチ数の方がやや複雑といえるでしょうか。

鼠算に関する思考のほかの例では、2人の両親から生まれた私は、4人の祖父母の子孫で、その前の世代は8人で、さらにその前は16人で、10世代遡ると1,024人、30世代でなんと10億7,374万1,824人になります。30世代というと、全員が20歳で子供を作ったとすると600年前です。50世代で1,000年も遡ると、1京1,25兆8,999億684万2,624 人です。
フィボナッチ数の方が若干緩やかですが、どちらの数列も幾何級数的に数字が伸びていきます。
因みに、フィボナッチで50世代ですと、203億6,501万1,074です。

占い師にこんな話をさせるとまあ10世代、1,000人とか89人ぐらいの計算を持ち出して、あなた一人のためにこれだけの人数の人がかかわっている。あなたは特別で貴重な存在である。とか、先の数字を持ち出して、あなたの未来にはこれだけの人が関係する。あなたは特別な存在である。とかいって励ますのが常套句になるのかしらと思うのですが、実際のところは、こんなに幾何級数的なものではないはずです。

そして、これも矛盾ですが、アダムとイブであったり、イザナギとイザナミであったりの話からすると、ご先祖様は少なく収束するのが正解そうですが、上の例でそこまでさかのぼると、恒河沙とか那由多とかいう単位でも足りるのか足りないのかわからない感じになりそうです。

なぜ実際は幾何級数的に伸びないのか

ウサギの例もネズミの例も、どちらも、ウサギやネズミが死ぬことなく永続的に子供を産み続けることを前提にしているので、こんなにもとんでもない数字になるのですが、実際の世界ではウサギもネズミもどこかで子供を産まなくなり、やがて死んでいきます。
世代交代というやつです。
また、ウサギもネズミも、無制限にスペースと栄養があれば、際限なく幾何級数的に増えていくでしょうが、どちらも限界があるでしょう。

また、わたしのご先祖様問題にしても、すべての人が全く血のつながらない別人という前提の元に計算していくので、爆発的なことになっていますが、必ず別人ということでもないので、こちらも前提を見直す必要があります。
例えば、三世代前8人のうち2人とか、四世代前16人のうち3人が同じ人物だということは十分に考えられるわけです。

際限なく増えるわけではないという一つの例として、こんな問題があります。
ある日、池に蓮の葉が一枚、浮かんでいるのを見つけました。蓮の葉は翌日には2枚、翌々日には3枚と増えていきました。そうして14日2週間程すると蓮の葉は、池の面積の三分の一を占めるほどに増えていきました。
さて、池が蓮でいっぱいになってしまうまで、あと何日の猶予があるでしょうか。

この問題の答えは、残り三日後には池は蓮で埋まってしまう。
ということになるのですが、ここで考えたいのは、蓮の葉は、4日後には池をはみ出して地上を占領するでしょうか?
多分、蓮の葉は池のスペースの限りある限界まで、幾何級数的に増え続けるということであると思います。と信じたいです。

とはいえ、生き物というやつは人も含めて、いけるところまでは幾何級数的に増殖していくものなのかもしれません。
そして、先程の蓮の葉の例、行きつくまで行ってしまった蓮の葉は最終的にどうなるでしょうか・・・
おそらく、自分自身で絡み合い、自縄自縛となって大きく数を減らすはずです。もしかすると全滅するかもしれません。

幾何級数的に増やすのは、何もこどもや葉っぱの数だけではありません。
欲望や願望というものもまた、幾何級数的に増殖していきます。
最初は小さな幸せで満足していてもいつかそれに慣れ、次の幸せ、そしてさらに次の幸せを求めるのが常だと思います。だんだんと次に求めるものは大きくなっていくものです。

九星占い

九星も学んでみては、とお声がけいただいたことがあります。

九星では春分点と秋分点、冬至と夏至を基準にして1年を24節で区切りながら、バイオリズムが巡っていくという考え方なので、春分点を牡羊座の始まりとして考える星占いと相性が良いのではないか、というお話からのきっかけだったかと思います。

九星ご存じですか?
九星という言葉は聞いたことがなくても、一白水星とか五黄土星という言葉は耳にしたことがあるという方は多いのではないでしょうか?

乱暴に言ってしまうと、
A.1年を24個に分割して春夏秋冬に六節づつ割り当てる。
B.冬至が冬の真ん中として、春の始まりになる 立春(夏至から8分の1年後つまり三節)を起点にして一年の区切りとする。
C.年単位で九星が巡る。
D.2節(ひと月)ごとに月単位の九星が巡る。
E.日単位で九星が巡るが、冬至近くと夏至近くで日単位の九星の巡り方が逆になる。
 ※冬至近くからは一⇒二⇒三⇒四 夏至近くからは九⇒八⇒七⇒六
F.九星は
 一白水星
 二黒土星
 三碧木星
 四緑木星
 五黄土星
 六白金星
 七赤金星
 八白土星
 九紫火星
G.九星盤という数字の魔法陣をベースにしたものを使う(3×3マスに1~9の数字を入れ、縦横斜めの3つの数字の合計が15になる配置)
 魔法陣通りに数字が並ぶ五黄土星の九星盤

五黄土星の九星盤

H.九星といって、水星とか土星が出てくるが、空の星や星占いの星は関係ない。むしろ五行(木・火・土・金・水)の方が関係する。
I.何やら吉方位や凶方位がある
辺りで挫折しました…何やら、とか言い始めてます。

九星と星占いの相性が良いと書きましたが、
星占いとの共通点としては、一年(太陽の周りを地球が一周する期間)を等間隔に区切る辺りでしょうか。

大雑把に計算すると、
太陽(の周りを地球が好転する公転周期)が365.242日
月の公転周期が27.32日ですから、
太陽(地球)が一巡りする間に月は13.36回っている計算になります。
そうすると、9年に一度ほぼ同じ日に、月と太陽の位置関係が同じに・・・・・・なりませんでした・・・・・・

そんなに簡単なものでなかったです・・・

252年に一度程で、月と太陽の位置関係がほぼ同じ感じになります。
この時に九星も同じ九星盤の配置になります。と書くと、いかにも九星と占星術に因果関係が出ているように感じるのですが、種明かしをすると、ある日を基準にして、月と太陽の位置関係が似た感じになるのは
  84年後 168年後 252年後 271年後 336年後
 355年後 420年後 439年後 504年後 辺りです
(公転周期についてはこちら)
その中から、同じ九星盤の配置になる年(公倍数の年)を選んでみたわけです。

とはいえ、公転周期と時代のバイオリズムでは84年 168年 252年サイクルがあるような気がすると書きました。
ここでもやはりなんとなく、90年位、180年位、250年位で時代の波というかうねりのサイクルがあるような気がしてきます。

歴史は繰り返すと言いますが、きっと占いというのは、その繰り返す歴史のうねりというか、波に法則性があるのではないかという直感を説明するために、いろいろと因果関係がありそうなものを探し続けた結果、使えそうな(気がする)理屈をまとめたものなのかもしれません。

般若心経

わたしの宗教は何かと聞かれたら、
仏教徒ですという答えになります。

お正月には初詣に神社に行きますし、
クリスマスは祝いますし、なんだったらハロウィンも楽しみます。
ついでにイースターも楽しそうですし、食事を忘れて、個人的にラマダン的な状況になってしまったりするわりに、日々仏壇に向かって念仏を唱えたりすることは無く、本当に仏教とかと言われると、たまに般若心経を写経するぐらいで、熱心な信者というわけではないのですが、私のバックボーンにある思想というか、考え方は多分、日本の仏教的な、禅宗的なものです。
※おそらくですが、臨済宗の影響を強く受けていると思います。
従って、わたしの占いの内容にも、根っこの部分は、多分日本の仏教的な思想のようなものが流れたものになってしまっているのではないかと思います。
なかでも、般若心経の思想は写経してしまう程度にお気に入りの思想です。

般若心経を写経していると、
わたしが占いをするたびに思うことを思わずにはいられません。
色々と悩みや苦しみってあるけれど、結局それもうつろいゆくものなのだし、あまり意味のないことなのではないかと。
いわゆる無常観というものなのかもしれません。

般若心経では、五蘊つまり(色・受・想・行・識)は皆、空であると説いています。
色:肉体 受:感覚 想:想像 行:心の作用 識:意識
は空であると説いたうえで、いろいろなものを空であると説いていきます。そして、心無罣礙つまり、心に何も妨げるものがなければ、何も恐れるものはないと説いています。
最後に、羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶というサンスクリット語のなんだかよく分からない呪文を唱えていれば大丈夫だと言って締めくくります。

ものすごく乱暴に、私なりの解釈をすると、いろいろあるけど、考えすぎないことだ、考えすぎたってあんまり意味なんてないし、元々そんなに世の中意味のあるものではないんだから。考えすぎて苦しくなったら、この呪文でも唱えて、ちょっと頭の中のぐるぐる回ってるものを追い出しなよ。というようなこととして、ありがたく写経して、頭の中を空白にしてみたりしています。

こんなことを書いていたら、ふと、
教の神は乗り越えられない試練はお与えにならない。という、新約聖書のコリント人への手紙の一説を思い出しました。
この言葉、辛い逆境にあっても人はそれを乗り越えられる。かのように解釈されている方も多いと思うのですが、ここでいう試練というのは、誘惑ということで、苦境とか、逆境ということではないのです。
どちらかというと、現状への不平不満、羨望や傲慢といったものによって、誘惑に負けて、善ならざる行動に突き動かされることを戒めた文章であると、わたしは解釈しています。

もちろん、
どうしようもない絶望や悲しみ、苦境や逆境というものは存在します。
どうしようもなくはない絶望や、苦境や逆境は、もっと存在します。
あるいは、歓喜や、絶頂というものも存在します。
そのことによって、思い悩み、萎縮したり、傲慢になったりすることは、一時の事として致し方ないものではあるけれど、ずっと続けるものではないのではないし、ずっと続くものでもないと思うのです。