惑星の逆行について

今は地球が太陽の周りをまわっている。ということに疑いを持つ人はほぼ、いないと思います。私はというと、どうにも盲信的に信じ込むことができずに、地球が太陽の周りをまわっていると考えた方が惑星や星の動きを上手に美しく説明できるので、そういうことなのだろうな。ということで納得しています。

惑星の逆行とは

昔の人は地球を中心に星が回っていると考えていました。そのため、惑星の動き方がものすごく納得のいかないものだったのです。
太陽は、北半球では東の地平線(水平線)から現れ、南の空へと昇っていきます。そして西の地平線(水平線)へと沈んでいきます。月もまた、同じです。そして、星座もまた同じような動きをします。
※北半球ではと書いたのは、太陽と月は南半球では東から昇り、『北の空』へ昇った後、西に沈むからです。

しかし、北極星を中心とした円運動から明らかに、ずれた動きをするものがありました。惑星です。惑星の動きは、北極星を中心にした円運動にならないのです。
その円運動にならない動き。それが逆行です。
惑星は時々、円運動に逆らって動いているように見えるのです。

惑星や月、太陽は他の星に比べて少しゆっくり地球の周りを廻っていると昔の人は考えていました。しかし、地球の周りを廻っている惑星が、その円運動に逆らって動いているように見える時期があるのです。

円運動通りに動かず、迷子のように動く星、戸惑う星ということで、惑星と呼ぶようになった。ということですね。


金融占星術では、惑星が逆行すると相場が荒れると言われたりしていますが、その辺りは後日改めてお話しするとして、今回はなぜ惑星が逆行するのか。惑星逆行の原理について、お話ししたいと思います。

地球が止まっていて周りの星が動いているのではなくて、月が地球の周りを廻っていて、太陽を中心として惑星が巡っている。『地球も惑星の一つとして動いている』のだと考えると、惑星が逆行して見えることと、太陽が星座のサインを移動することについて、とてもうまく説明できます。
地球を含めた惑星が太陽の周りを廻っていると考えて、他の星々は『ほぼ』止まっているということにして考えたとき、惑星と地球の相対的な見え方として、逆行して見えるということが説明できるのです。

相対的な見え方いうのは、電車や車に乗っていると、周りの景色が後ろに流れているように見えるというあれです。地球(と他の惑星が)が動いているから、惑星が後ろに流れているように見えるのです。


相対的な物事の見え方については、別の場所でまたお話しするとして、今回は惑星がどうして逆行という、不自然に見える動き方をして見えるのかという理由を説明したいと思います。

地球から見た太陽の動き

地球から見た月の動き

内惑星と外惑星 逆行はいつ起こるのか

地球から見た内惑星の動き

地球から見た外惑星の動き

あらためて惑星の逆行とは

地球から見た太陽の動き

地球から見た太陽の動きはいつも東から現れ、西に沈んでいきます。そして季節によって、ホロスコープの中を牡羊座⇒牡牛座⇒双子座へとサインを移動して進んでいき、魚座からまた山羊座へと帰っていきます。その動きは常に順行です。

この、サインを移動するというのが昔の人からすると少し、不思議なことだったのです。だから、太陽は地球の周りを廻る速度が他の星よりも少しゆっくりだと考えたのです。

太陽を中心として地球が回っています。ある時期に天秤座に地球がいたとしましょう。その時に太陽はどこに見えるでしょうか?

地球が太陽から見て天秤座の方向にいるときは、天秤座のちょうど反対側、牡羊座の方向に太陽が見えることになります。

少し時間が進んで地球が蠍座の位置に移動するとどのように見えるでしょうか?ちょうど反対側にあたる牡牛座と一緒に太陽が動いているように見えます。太陽は動いていないけれど、地球が動いているので、太陽の見える方向が変わるのです。

山手線に乗っていると品川から東京ドームは北(駒込方向)に見えて、秋葉原から上野辺りからは西(新宿方向)に見えます。駒込や巣鴨あたりからは南(品川方向)に見えて、新宿あたりからは東(秋葉原方向)に見える。そしてまた品川に戻ってくる。というのと同じです。

 

地球から見た月の動き

地球から見た月の動きは素直です。月が地球の周りを廻っているので、天動説的な見え方をします。

太陽の周りを地球が回っているということは忘れて、今度は地球が動かないものとして考えれば大丈夫です。

素直に地球から見た時に射手座の方向にあった月が、地球の周りを廻って、射手座⇒山羊座⇒水瓶座と進んでいくのを見ている。ということです。

ホロスコープでの月の動き方説明

内惑星と外惑星 逆行はいつ起こるのか

惑星の逆行を説明する前に少し地球と他の惑星の位置関係についてお話しておきます。

 太陽を中心に 水星-金星-地球-火星-木星-土星-天王星-海王星-冥王星の順で並んでいます。
海王星と冥王星の位置関係は、その軌道の関係で一時期逆になったりもするのですが、それを説明し始めると軌道が楕円だということや、周回面の角度の話をしたくなるので、ちょっと我慢します。
ここでは大雑把に、外にいる星程ゆっくり太陽の周りを廻っていて、地球から惑星を眺めるときには、地球よりも太陽に近い場所にいる惑星(内惑星)と、地球よりも遠い場所にいる惑星(外惑星)では見え方が少し違う。ということだけお話しておきます。
ということで、内惑星は水星と金星、外惑星は火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星です。

そして結論から先に言ってしまうと、内側の星が地球を追い越すときあるいは、地球が外側の星を追い越すときに惑星は逆行しているように見えます。

地球から見た内惑星の動き

水星と金星は地球の内側で太陽の周りを廻っている惑星です。内惑星と呼ばれます。
水星の公転周期は88日
金星の公転周期は225日
ですから、水星は4ヶ月に一度、金星は1年と7ヶ月程度に一度、地球を追い越します。これを地球と惑星の会合周期といいます。

又、内惑星は、地球から見るといつも太陽の方向にあります。
そのため、太陽から一定以上離れて見えることはありません。水星で28度、金星で47度が太陽と最も離れて見える位置関係となります。これを最大離隔といいます。

順行する内惑星
順行する内惑星の動き

逆行する内惑星
逆行する内惑星の動き

自分自身が動いている車に乗っているときに、後ろからより速いスピードで走っている車を見た時に、追い越されるまでは後ろに見えていたものが、追い越されてしまうと前に見える。走っている車からは景色が後ろに動いて見えるけれど、その景色とは違った動きに見えるということと同じです。

地球と内惑星の速度に十分な差がある場合、大げさに描くとこんな感じに見えます。
※実際は十分な差があるわけではないので、もう少し狭い範囲で太陽の周りをうろちょろしている感じです。地球から内惑星が見える範囲
地球が惑星から見てほぼ止まっているとき、惑星がAからBに移動している間(つまり惑星が地球を追い越している間)は山羊座の位置から乙女座の方向へ逆行しているように見えます。そして、BからAに移動しているときは、乙女座の位置から山羊座の位置に移動しているように見えます。

地球から見た外惑星の動き

地球の外側を廻る惑星とそれぞれの公転周期は次の通りです。
火星(688日)
木星(12年)
土星(29.5年)
天王星(84年)
海王星(165年)
冥王星(248年)
ですから、例えば木星の場合、地球が太陽の周りを一周する間に12分の1つまり30度分木星は太陽の周りを進んでいます。したがって1年と1ヶ月(12分の1年)と少しで地球は木星を周回遅れにします。周回遅れと書くと木星から、動いている距離が違うという文句が出そうですが…。
火星の場合は地球が一周する間に太陽の周りを2分の1週しているので、追いつくのはおおよそ2年になりますし、土星より外の星は、誤差の範囲を大きく取れば止まっていると言ってもいいぐらいのペースでしか動いていないので、1年に一度地球が他の惑星を追い越す。ということになります。

順行する外惑星
順行する外惑星の動き

逆行する外惑星
逆行する外惑星の動き

内惑星の時とは逆に、自分が動いている車に乗っているときに、前を走っていた車を追い越すとき、前に見えていた車は追い越した後は後ろに見える。ということです。

内惑星の時と同じように考えて、今度は外惑星が地球から見てほぼ静止していると考えると、こんな感じに見えます。
地球から外惑星が見える範囲
今度は地球がAからBに動いているとき(つまり地球が惑星を追い越しているとき)は地球から見た外惑星は双子座から山羊座の方向へ逆行しているように見えます。そして、地球がBからAに動いているとき、山羊座から双子座へ順行しているように見えます。

あらためて惑星の逆行とは

惑星の逆行というのは、速度の違う車同士の見え方のようなもので、追い越すまたは追い越されるときに明らかに見える方向が違ってくる。ことから、惑星はその時に惑って見える。ということです。

逆行している期間というのは、内惑星であれば惑星が地球に迫ってきて、並走している期間。外惑星であれば地球が惑星に迫っている期間であり並走している期間ということです。また、逆行している期間の方が、地球と惑星の距離が近い分、他の星座との動きのずれが際立って大きく見えます。

そう考えると、逆行というのは、言葉通りのイメージで、惑星の持つ意味が裏返しになるとか、そういうことではなくて、惑星の持つ影響力が良くも悪くも、とても強く出る。出すぎてしまう時期と言えるかもしれません。

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